※レビュー部分はネタバレあり
国際運送会社大手のフェデックスに勤めるチャック・ノーランド。
常に効率よく、早く、短い時間で荷物を届られるように従業員に発破をかけて、社用機で飛ぶ出張先にも自らストップウォッチ入りの荷物を送って時間を計るほどの徹底ぶり。
仕事も充実していたし、結婚を考えている恋人のケリーもいて、不満のない人生だった。
ある日、社用機でいつものように出張に出かけるチャック。ところが天候が怪しい。目を覚ますとそこは南太平洋の無人島だった。
単なるサバイバルものではない、大人のための『15少年漂流記』。かの小説では一回りもふた回りも大きく成長して帰ってきた少年たち。
大人が無人島で暮らしたときに何が得られるのか…極限状況におかれた人間が最後に得られたものとは…。
たまにこの映画見たくなります。観て損はしない映画です。映画の前半と比べて、後半で一気に痩せるトム・ハンクスにご注目。役作りで体を作る役者は多いですが、1本の映画ロケ期間内でこの変化はすごいなぁ。役者魂ですね。
【映画データ】
キャスト・アウェイ
2000年 アメリカ
監督 ロバート・ゼメキス
出演 トム・ハンクス
映画:キャスト・アウェイ レビュー
※以下、ネタバレあり
とにかく時間に縛られて、それの時間をどれだけ短縮するかにあくせくする現代人。短い時間で同じ仕事量をこなせることが評価されるのが現実。その評価基準に何の疑問を感じない人々。
そんなときでも、ふとした瞬間、地元に帰ったとき、訪れた旅先で、いつもと違う時間の感覚をふと感じる瞬間がありませんか。
その体験を究極的に経験することになるのが、チャックの無人島での4年間。
チャックにとっては必死に生きた4年間。話し相手はウィルソンだけ。ケリーだけを生きがいに一生懸命に文字通り一日一日を刻み、命からがら戻ってくるチャック。
けれど現代の時間の流れは速い。
チャックにとっては長い4年もこちらの世界ではあっという間の4年。ケリーは結婚して新しい家庭があり、子供までいる。失意の中でケリーと別れる決心をするチャック。
彼は戻ってきてから最初の仕事に取り掛かります。そう、4年前に島に流れ着き、開けずに残した一つの荷物。届けに行った先は広い草原の中の一軒家。
留守だったために戸口に残した荷物には「遅くなりました」とのメモ。一本道を引き返して再び交差点へ。
さあ、これからどちらに行こうか。
そこに差し掛かる赤い車。中から声をかけて来た女性は3つの道の行き先を教えた後、残り一本の道の行き先は「カナダ。何もない所よ」。
そして、チャックが選んだ道は…。
そう、「何もない」、舗装もない道だった。
彼にとってはあの女性との出会いを選ぶ道であり、新しい未来を選ぶ道。これまでひた走ってきたエリート社員としての未来の見える道ではなく、何が起こるか分からない舗装されていない砂埃の舞う道。
冒頭でも出てくるこの四ツ角。かつてのチャックなら迷わずアスファルトで舗装された道を選んだでしょう。でも今のチャックが選んだ道は、未来ははっきり見えないけれど、希望が見出せる道だったというわけです。
きっと彼女との未来がチャックにはあるのでしょう…冒頭シーンでも出て来た彼女の家らしきゲートの上の名前はラストシーンでは片方なくなっています。彼女はどうやら独身になったようですね。
私たちもときに思い出したいですね…行き詰ったときに。常に道は開けていて、生きていてこそ、行き先は自由に選べる。自分の思う方向へ…。
【『か行』の映画の最新記事】
トム・ハンクスは「スプラッシュ」を観て以来、大好きになり、彼の映画はほとんど観ています。
この映画を観て、あきらめないことの大切さ、生きることの素晴しさということで「ショーシャンクの空に」を思い出しました。私一押しの素晴しい映画です。もしお時間が出来て、ご迷惑でなかったら、いつかレビューをお願いします。
いつもご訪問いただき、ありがとうございます。
「キャスト・アウェイ」、本当に好きな映画です。このブログを立ち上げた当初のレビューでもあり、いまさら読むと少し恥ずかしい気もしてしまいます。
「ショーシャンクの空に」のリクエスト、喜んでお受けいたします。この映画は何回か観たことはあるのですが、レビューを書かせていただくためにもう一度観たいと思いますので、少々お待ちくださいませ。
また、コメントなど頂ければ嬉しく思います。今後も、満足していただけるレビューを上げていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。